• テキストサイズ

モニタリング

第6章 静寂の支配


甚「なぁ……俺のこと、どう思ってんの?」

突然の問いに、ミクの心臓が跳ねた。

「え……それ、いま聞く……?」

甚「いまだから聞く。――オマエが答えないなら、身体に訊くしかねぇな。」

彼の腰が、また彼女の柔らかい部分に押し当てられる。

ぬるりと入ってくる感触に、背中が反る。

もうとっくに限界を迎えていたはずの身体が、また彼の欲に応えようとしていた。

「……ずるいよ、甚爾……そうやって、いつも強引で……。」

甚「オマエが、曖昧にするから悪いんだろ。」

その言葉のあと、甚爾はもう1度ゆっくりと奥まで満たしてきた。

ベッドの軋む音と、再び重なり合う肌の音。

問いに答えられないまま、快感の波がふたりをまた飲み込んでいく。

甚「逃がさねぇよ……このまま、朝まで何回でも俺のものにするから。」

それは命令ではなく、呪縛だった。

愛しているとも、欲しいとも言わないくせに――

ただ支配と独占の色を滲ませて、甚爾はまたミクの深いところへと沈んでいった。





朝、会社の空気はいつもと変わらないはずだった。

けれどミクの身体には、昨夜の熱がまだどこかに燻っていた。

肩をすくめるたび、微かに残る感触。

唇に触れた余韻。ふとした瞬間に浮かぶ男の低い声。

そんなミクに、真っ白なシャツ姿の五条悟が缶コーヒーを片手に近づいてきた。

悟「おはよ、ミク。顔色…よくないわけじゃないけど、ちょっと眠そう?」

彼の声はあくまで軽やかだった。

けれどその目は、ふと揺れていた。

何かを探るように、視線がミクの頬や首筋を流れる。

悟「昨日…寝るの遅かった?」

「……はい、ちょっと。」

短く答えたミクの声に、僅かな間ができた。

その沈黙を、悟は逃さなかった。

悟「そっか。」

彼は笑った。

けれどその口元に浮かぶのは、いつもの無邪気な笑顔とは違った。
/ 199ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp