第6章 静寂の支配
甚「あんな顔、俺の前だけでしてろよ……。」
まるで見えない首輪をはめるように、言葉が絡みついてくる。
手はすでにブラウスの奥へ下着のレースをなぞり、滑らかに肌へ侵入していた。
甚「……ここ、他の男に触らせたら容赦しねぇからな。」
指先が内腿を撫で上げるたびに、ミクの身体は敏感に震え拒むでもなく許すでもなく曖昧な関係そのままに甚爾の支配を受け入れていく。
酔いと嫉妬と欲望。
熱が、狭い部屋の中で絡まり合い、堕ちていく音だけが静かに響いていた――。
甚爾の熱を帯びた掌が、ミクの太ももをなぞりながら、ゆっくりとスカートの裾をたくし上げる。
その無遠慮な動きに、思わず脚が震えた。
甚「……声、我慢すんな。今日は全部、俺に晒せ。」
吐き捨てるような言葉とは裏腹に甚爾の手つきはいやらしいほど繊細で、焦らすように指先だけで下着越しに何度も撫でた。
ぬるりと湿った感触が伝わると、喉奥から微かに笑うような吐息が漏れる。
甚「やっぱり、濡れてんじゃねぇか。――あの男と呑んでたときも、俺のこと考えてた?」
「ちが……。」
否定の声は唇を塞がれ、舌が乱暴に割り込んできた。
深く容赦なく、ミクの口内を舐めつくすように貪るそのキスは快楽というより支配の味だった。
舌が絡み合い呼吸が乱れ、媚びるように腰が浮き上がる。
甚「ほら、こっちの口は正直だな。」
濡れたショーツを指先でずらすと何の前触れもなく、指が奥まで滑り込んできた。
強引な侵入にミクは声を上げかけたが、すぐにその声も喉の奥で溶けていく。
2本目の指が差し込まれた瞬間、快感の波が脳を突き抜け指の動きに合わせて腰が勝手に跳ねた。
甚「すげぇ……締め付けてる。もっと……奥、欲しいんだろ?」
ずるい声音で囁きながら、甚爾は自分のベルトに手をかけた。
その仕草すら、あまりにも男としての色気が濃すぎて目が離せなかった。