• テキストサイズ

モニタリング

第4章 これで全部


重なった体が深く、重く沈む。

ミクの肌にじわりと汗が滲み乱れた吐息が頬をなぞるたび、彼の体温がさらに熱を帯びていくのが分かった。

甚「……っ、もう、やばい……。」

低くしわがれた声が、耳元に落ちる。

いつも余裕を崩さなかった彼が僅かに呼吸を乱しながら、それでも必死に抑えているのが伝わった。

甚「ミク……オマエ、ほんと……。」

その先の言葉は飲み込まれた。

理性と本能の境界線が、もう限界に近いことを、ミクも肌で感じていた。

深く、深く――

奥まで引き寄せられ、すべてが繋がってしまう錯覚。

ミクの身体が僅かに震えるたび、甚爾の動きもまた僅かに荒くなる。

甚「……そんな顔すんな。止まんなくなるだろ……。」

彼の手が、頬に触れた。

荒い息の合間に、苦しげなほど甘い声がこぼれる。

そして――

甚「もう、抑えられねぇ。」

その1言のあと甚爾の動きは1段と深く、強くなった。

ベッドの軋む音、絡みつく肌、呼吸が交差する。

ミクの身体は彼に翻弄されながらも、どこかそのすべてを欲しているように拒まない。

むしろ、甘く泣きながら彼の名を呼び続けていた。
/ 199ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp