第4章 これで全部
甚「……もう、こんなに濡れてんのに?」
囁くような声に、羞恥が胸を焼いた。
「い、言わないで……。」
甚「なんで?もっと誇れよ。……ほら、ちゃんと応えてんだろ?」
肌と肌が触れるたび、ミクの内側に熱が積もっていく。
脚の付け根、柔らかな奥――
自分の1番脆い部分を甚爾にすべて晒しているという事実が、脳を痺れさせる。
甚「……ミク。」
名前を呼ばれるたび、心が溶けていくようだった。
ただの行為じゃない。
彼は、ミクという存在ごと受け止めようとしている。
甚「……イくとき、ちゃんと俺の名前、呼べよ。」
そう言って、彼は深く身体を沈め――
ミクは、最奥まで満たされる感覚に息を止めた。
「っ……!」
腰を引こうとしたその瞬間、彼の手がしっかりと抱き寄せる。
甚「逃げるな。……ちゃんと受け止めろ。」
「や、だ……そんなの、むり……!」
甚「嘘つけ。……締めてきてんぞ、ミク。」
くちびるを塞がれる。
彼の舌が絡み、ぬるりと喉の奥まで甘さを流し込んでいく。
まるで、すべてを奪われていくような――
けれど同時に自分が“甚爾のもの”になっていく確かな実感が、奥の奥まで満ちていく。
甚「……良い子に、なったな。」
「っ……や、だ……言わないで、そんなの……っ。」
その言葉さえも、快感に塗れて、否定しきれなかった。
腰が自然に彼へと向かい絡みつき、求めていた。
これは、抗えない。
否応なく、甚爾のものにされていく。
身体も心も、全部。
そして――
何度目かの絶頂が、視界を白く染めた。