第4章 これで全部
シーツが、ぬるく肌を包む。
仰向けに寝かされたミクの上へ、甚爾がゆっくりと重なってくる。
大きな身体。分厚い胸板。
そのすべてが、自分に覆いかぶさる感覚は圧倒的で――
だけど、怖くなかった。
いや、本当は怖かった。
ただ、もっと奥にある熱の方がそれを上回っていた。
甚「……ほら、力抜けよ。全部、預けろ。」
低く、くぐもった声。
耳元に落ちてきたその言葉が、ミクの喉奥をくすぐるように響いた。
「……全部って、なにを……っ。」
問いかけたはずの言葉は、最後まで届かない。
彼の手が背中を撫で、脚の内側を開いていく。
抵抗する間もなく彼の手がすべてを知っているかのように、彼女の緊張を溶かしていく。