第20章 独占欲と執着
腰を掴んだ手に力が込められる。
濡れた熱に、今度は彼自身の熱が押し当てられた。
ゆっくりと押し入ってくる感覚。
だが優しさなどない。
強く深く、無理やり突き込むような動き。
それでも体は悦びを否定できない。
「んぁ……っ、や、あっ……甚爾……!」
甚「……声が甘ぇんだよ。他の男にもそんな声で喘いだのか?」
否定の言葉を口にする暇もなく、激しく突き上げられる。
そのたびに、頭が真っ白になる。
体が跳ね、快感が押し寄せる。
いやなのに、嬉しい。
怖いのに、求めてしまう。
甚「ほら、奥……こんなに吸い付いて……。他の誰のも、受け入れられなくしてやるよ。」
奥を突きながら、彼の手が喉元をそっと撫でた。
絞めるでもなく、ただ支配するように指を添えて――
その支配が、心まで侵食していく。
甚「オマエの声も息も、全部俺に支配されてんだよ……悟でもガキでもねぇ、“俺”だけなんだよ……わかってんだろ?」
呟きは耳元で低く響き、全身が粟立つ。
抱きしめられているのに、まるで逃げ場がない。
心の奥まで、彼の影に塗りつぶされていく。
甚「なぁ……認めろよ。俺だけが、オマエをこうして壊せるって……。」
何度も何度も奥を擦るように突かれて、熱が高まっていく。
快感が頂点へと積み上げられ、もう抗う術など残されていない。
「っ、だめ、もう、や……。」
甚「“や”じゃねぇよ。まだ終わらせねぇ。オマエが他の男を思い出せないくらい何度でも、何度でも俺で塗り潰してやる。」
彼の中にある執着は荒々しくも真っ直ぐで、狂気じみた独占欲と一体化している。
だがその熱が、女の奥底で――
なぜか心地よくて甘くて、抗えない。
この夜、彼女は何度も甚爾に貫かれ何度も名前を呼ばされ身体も心も“甚爾のもの”として染め上げられていった。