第20章 独占欲と執着
甚「……あんなもん入れられたまま、笑って飲んでたのか。悟とガキの前で?」
伏黒甚爾の声は低く、乾いていた。
だがその温度は熱を帯びていた。
焼き尽くすような怒り、そして――
明らかな嫉妬が滲んでいた。
「ちが……っ、無理矢理……。」
甚「無理矢理? それにしちゃ、抜いた途端に名残惜しそうに震えてたじゃねぇか。」
ぬかるんだ熱を確かめるように、そのまま唇の端をゆがめた。
甚「……悦んでたんだろ? アイツらに弄ばれて、俺じゃねぇ男に触れられて……ゾクゾクしたか?」
「ち、が……っ、違う……。」
涙声で首を振るが、そんな弁解など甚爾には意味を持たなかった。
彼の怒りは冷静で、だが根深い執着の上に立っている。
甚「ふざけんな。オマエの中が誰のもんか、わからせてやる。」
その言葉と共に、膝を割るように脚を開かされる。
ソファに押し倒された身体の上に、甚爾の熱が覆いかぶさる。
ぶつけるような口づけ。
唇を噛み舌をねじ込み、奥まで貪る。
甚「悟に喋りかけたその口……ガキに媚びるように見せたその目……全部、俺が塗り替えてやる。」
手のひらが指が、容赦なく嬲る。
だが、そこにあるのはただの暴力ではない。
甚爾の手は、女の弱点を知り尽くしていた。
いじめるように責め立てながら、その裏に潜む“知りたい”“独り占めしたい”という欲望が熱を帯びて染み込んでくる。
甚「ここも……悟の視線が這ったんだろ? ……ムカつく。」
そう言って、胸元に牙のようなキスを落とす。
噛みつかれるたび甘さと痛みが入り混じって、身体が勝手に痺れていく。
甚「……ほんっとに、オマエって女は……俺を馬鹿にしてんのか。あんなチャラい奴の言いなりに、なって……。誰のものか、わかんなくなってんなら体で教えてやる。」
腰を掴んだ手に力が込められる。