第19章 裏に、ある意図
一瞬、指が止まった。
悠仁の表情が凍る。
そして次の瞬間、手が抜かれ──
代わりに、怒りを孕んだ瞳で悟を睨んだ。
悠「……ふーん。なるほど。そういうこと。」
悟「嫉妬? 可愛いなあ、悠仁。じゃあ、競ってみる?」
悠「上等ですよ……その余裕、すぐ崩してやります。」
ふたりの男の間に挟まれたまま、ミクは無言で震えるしかなかった。
玩具の振動は悟が握るリモコンによって高められ同時に悠仁の手がミクの腰に太腿に、這うように触れてくる。
ふたりの指が、ミクの身体を所有するように撫で同時に異なる愛撫を与える。
悟は巧みに要所を責め、悠仁は感情に任せて乱暴に敏感な場所を探ってくる。
悟「我慢できるよね? こんなとこで……バレたら、どうなるか分かるでしょ?」
悠「……でも、反応が正直すぎるんだよな。身体、震えてるじゃん……っ。」
ふたりの囁きが耳を侵し息を呑むたび、奥から押し上げる快感に喘ぎそうになる。
誰かの視線がこちらに向いている気がして、冷や汗が背中を伝った。
悠「声、出すなよ。」
悟「こっち見てよ、僕だけを。」
異なる欲望が、ミクの中を揺さぶる。
悟の余裕と支配欲。
悠仁の直情と独占欲。
どちらも甘く、苦しい。
やがて、悟がにやりと笑って囁いた。
悟「次、イったら……誰かに聞こえるかもね。」
悠「良いじゃん、バレたら責任とるから。」
「……ふたりとも、やめて……お願い、もう……っ。」
玩具と指と、ふたりの視線が、ミクを壊していく。
限界は、すぐそこに迫っていた。