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モニタリング

第19章 裏に、ある意図


喧騒の中、ミクはそっと席を立った。

飲み会の会場は、都内の少し洒落た個室居酒屋。

照明が落とされ、にぎやかな笑い声が飛び交う中ミクはトイレへと向かう。

体が火照っていたのは、アルコールのせいだけではなかった。

彼が、この場にいる──

五条悟が。

彼の隣に座るだけで、意識してしまう。

視線が合うたびに、喉が乾いた。

笑っているのに、その奥に何かを秘めている彼の目が、どうしようもなく怖くて、でも抗えなかった。

廊下の先、トイレのドアに手をかけたその瞬間──

背後から腕を掴まれた。

悟「……よっ、話そうと思ったら逃げられた気がしてさ。」

その声を聞いただけで、胸が跳ねた。

振り返る間もなく、ミクはトイレの中へと引きずり込まれる。

狭い個室。

ふたりきり。

鍵の閉まる音が、ひどく生々しかった。

悟「さっきからずっと……僕のこと避けてたでしょ?」

「そ、そんなこと……っ。」

悟「嘘つき。」

腰を掴まれ、壁に背を押しつけられる。

そのまま唇が奪われた。

柔らかく、それでいて強引に舌を絡め取られるキスに息をすることもできなかった。

酔っているのは、彼も同じだったはずなのに──

その動きはあまりに確かで、まるで、ミクがここに来ることを読んでいたかのような迷いのなさだった。

悟「皆には……バレたくないでしょ?」
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