第2章 言葉に出来ない癖に
女の膣内は、とろとろに熟れていた。
何度も指で責められ擦られ果てさせられた身体は、もはや火照りきって熱く柔らかく甚爾の指にすっかり馴染んでいた。
「もう……むり、って言ったのにな……。」
そう呟きながら、女はシーツに顔を埋める。
でも身体は、全然“むり”じゃなかった。
むしろ甚爾の指が1度でも離れると、奥がスカスカして堪らなく寂しくなる。
甚「オマエさ。」
甚爾の声が、喉の奥で笑うように低く響いた。
甚「指でこんだけイってるってことは――本物、入れたらどうなるんだろうな?」
女の瞳が、びくんと揺れる。
驚きと期待と羞恥と……
それでも抗えない本能的な欲が、その視線に滲んでいた。
「……まって……。」
甚「嫌なのか?」
「……ちが……っ、じゃないけど……。」
甚爾は黙って、女の髪をかきあげた。
乱れた髪の間から覗く白いうなじに、熱のこもった吐息をそっと吹きかける。
甚「なら、嫌じゃねぇってことだろ。」
ズルい声。
その1言で、女の身体はまたぴくりと跳ねる。
ベッドの上で背を向けてうずくまっていた女の腰を、甚爾は無理やり開かせることはなかった。
ただ指を抜いたまま静かに身体を重ね熱を、先端を押しあてる。
「……っあ……。」
女の声が震える。
さっきまで指が出入りしていた場所に、まったく違う熱く硬い存在が触れている。
甚「ほら。入れていいって、言え。」
女は目を閉じ、唇を噛む。
言葉にすれば、戻れなくなる。
それでも――
身体の奥が、疼ききっていた。