第2章 言葉に出来ない癖に
「……ゆっくり、……お願いします。」
その遠回しな懇願に、甚爾は満足げに笑う。
甚「……ああ。たっぷり、ゆっくりな。」
腰を落とす。
先端がじゅぷ、と音を立てて入り込む。
柔らかく、けれど熱く蠢く肉壁が、ぐっと彼を包み込んでいく。
甚「――くっ、……中、すげぇ……。」
女は声を出す余裕すらなく、ただ目を潤ませながら腰を震わせた。
自分の中に“入ってくる”感覚が、脳を焼くような快感を引き起こしていた。
甚「おいおい、最初からこんなに咥え込んで、……欲しがりすぎだろ。」
「っ、そ……んな、こと……っ。」
否定の声が震える。
でも膣はきゅうきゅうと締まり、ずるり、ずるりと侵入してくる甚爾の肉に甘えたように絡みついていた。
甚「動いて良いか?」
「……ゆっくり、……お願いだから……。」
甚「へぇ、今度はちゃんと“お願い”できたな。」
彼の腰が浅く引き、また押し込まれる。
ずちゅっ、と水音が響き女の身体がベッドに沈む。
「んぁっ……っ、あっ……それ……っ、きもちっ……。」
動くたび、奥を抉られる。
くちゅ、くちゅ……と淫らな音が重なって女は口元を手で覆った。
甚「なんだよ、手で口塞いで。……もっと声、出せよ。オマエの声、興奮するからよ。」
「っ……ばか、そんな、……言わないで……っ。」
甚「でも身体は正直じゃん。」
甚爾が腰を浅く抜くと、女の方からわずかに腰が追いかけてきた。
それを見逃さず、彼は意地悪く笑う。