第14章 他の誰にも渡さない
唾液が垂れて、窒息しそうになる。
だけど、離さない。
すべてを飲み込ませ、支配し尽くそうとする。
そういう男だった。
甚「今度、また俺以外の誰かと遅くまで絡んでたら……わかってんだろ?」
吐息交じりの脅し。
けれど、それは甘美な檻だった。
甚「……どうすんのか、答えろよ。言葉じゃなくて身体で、教えろ。」
彼の手がアナルプラグを奥深く押し込み、電マが蕾を抉るように攻め立てる。
絶頂が幾重にも重なり女は涙を流しながら、何度も仰け反った。
快楽に押し流され、意識は白く溶けていく。
どれほど時間が経ったのか、覚えていない。
手錠が外され、口枷が抜かれ、ようやく自由を得た頃には女は声も出ないほどぐったりとしていた。
そんな彼女の髪を、甚爾が無言で指先で梳いた。
粗雑で支配的で、それでも……
少しだけ優しい指先だった。
甚「なあ、次からは……俺に全部、話せよ。」
その一言に、女はかすかに頷いた。
もう、甚爾以外の誰にも、触れられたくなかった。
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視界の端で、カーテンの隙間から朝の光が差し込んでいた。
なのに、身体はまだ夜に縛られたままだった。
脱力したままの女の太腿に、ぬるりとした何かがまた触れた。
眠っていたはずの快楽の感覚が、熱を帯びて浮かび上がってくる。
もう終わったと思っていたのに——
伏黒甚爾はそうはさせてくれなかった。
甚「……まだ、終わってねぇからな。」
低く、荒れた声。
背後から女の身体に覆いかぶさる甚爾の吐息は、頬をくすぐるほど近い。
彼の指がぬめる蜜をなぞり、わざとらしくかき混ぜるように膣口を撫でる。
甚「こんなにトロトロになってんのに、よくも“終わった”なんて思えるよな。」
指が奥に入る。
既に何度も犯され敏感になりすぎたそこは簡単にぴくんと跳ね、無意識に締めつけた。
「んっ……ぁ、もう、むり……。」
甚「じゃあ身体ごと、壊れるまで俺に覚えさせてやる。」
甚爾の声が熱を帯びる。
怒っている、というよりも欲情が怒りを纏っているような、そんな危うい気配だった。