第4章 赫き炎刀
「仁美。」
スパーンと大きな音を立てて扉を開いたのは義勇だった。
「義勇様っー…。」
義勇は部屋に入って仁美を見つけると、彼女が名前を言う前に抱き付いた。
部屋の中に実弥としのぶが居る事なんて目に入っていなかった。
「「???!!!」」
急に現れた義勇が仁美を抱き締めるから、実弥もしのぶもその光景には驚愕した。
「さっき仁美が来ているって聞いたからびっくりした。」
仁美と会えて嬉しいと、義勇の顔はその気持ちを隠さずに柔らかい顔をしていた。
「………………。」
実弥はそんな義勇を見て鳥肌が立った。
よく見るとしのぶも同じ顔をして義勇と仁美を見ていた。
「冨岡さーんっ!」
ベットから飛び降りて来た義勇を追いかけて、すみ、きよ、なほは困惑した顔で部屋に入って来た。
「背中抉られているんですから、大人しくしてくだいっ。」
すみが義勇の服を引っ張りながら怒りながら言った。
「……問題ない。」
義勇はいつも通りスンとした顔ですみに言うが、仁美を掴んでいる手は決して離さない。