第4章 赫き炎刀
「稽古の後に悪いな。」
厳しい稽古の後に仁美の為に白衣を着ているしのぶに実弥はお礼を言った。
そう言った実弥に、しのぶはキョトンとした顔をした。
「まさか、不死川さんからお礼を言われるとは思いませんでした。」
そう揶揄う様に言ったしのぶに実弥は自分の言葉に赤面した。
しのぶはそんな実弥を仁美のお父さんみたいだと揶揄う。
あまり揶揄うと実弥が怒鳴りそうなので、ほどほどで実弥との会話を終わらせた。
「体調はどうでしたか?」
静かに座っている仁美を見て、しのぶは微笑みながら聞いた。
「…最近は夜に発作もあまり出ません…。」
しのぶは仁美の言葉を聞くと、優しい笑みのまま触診から始めた。
「…………………。」
実弥はジッと仁美の診察を見ていた。
実弥が仁美を心配しているよはよく知っていた。
毎回仁美の診察の時はこうして実弥は部屋まで入って仁美の側にずっと居た。