• テキストサイズ

【鬼滅の刃】月が綺麗ですね【R指定】

第3章 鬼に稀血


部屋に戻ると仁美は、やっと濡れている髪を乾かした。

タオルで何度も長い髪の毛を叩いて、水気が飛ぶまで繰り返す。



パンッ。



仁美が髪の毛を叩く度に、藤の花の香りが部屋に漂った。

その匂いと仁美を見ながら、実弥はゆっくり目を閉じた。



「ーーーーー実弥様。」

仁美に肩を揺さぶられて、実弥はハッと目を開けた。

「寝るならお布団でどうぞ。」

「………………。」



少し目を瞑っただけのつもりだった。

しかし実際は寝てしまったみたいで、目の前には寝床も整っていた。




「……眠たくねぇし…。」

「……休んで下さいよ…。」



仁美が起きてる横で寝息を立てるなんて、死んでも嫌だった。

「……お前が横になってみろ…。」

「………………。」



仁美は眠たくも無いが、実弥に言われたので素直に布団に横になった。

体を真っ直ぐ伸ばし、手は胸の上に置いた。

しかし、目はしっかりと開いていて、そな赤い目がチラッと実弥を見た。



「………………。」

実弥は膝に手を置き、肘を突いて仁美を見下ろした。
/ 259ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp