• テキストサイズ

【鬼滅の刃】月が綺麗ですね【R指定】

第3章 鬼に稀血


「お前も俺も汗かいて臭いんだよ!!」

実弥はタオルを仁美に投げつけた。

「あっ!実弥様!置いていかないで!!」



部屋から出て行った実弥の後を、仁美は泣きながら着いて行った。



大浴場で仁美と離れて、実弥はやっと安堵の息を吐いた。

隊服を脱いで湯に浸かると、一日中歩いていた疲れを癒した。

疲れを取ると緊張が解れて頭が回ってくる。



実弥は先程までの仁美の様子を思い出した。

(……なんでアイツは俺の側に居られるんだ…?)

思い出したくも無い出来事なのに、何事も無かったかの様に実弥に接してくる。



きっと根本的に気持ちが全然違うのだろう。

仁美にとって実弥はただ助けた人物で。

それ以上でもそれ以下でも無くて。

その後どうしているのか心配するのはいつも実弥の方だ。




会えば苛々するのに、元気な姿を見れたらそれだけで安心できた。




(……あんな光景……。忘れられるはずが無いだろう…。)




実弥は今でも仁美を初めて見た時の事が忘れない。

そして今だに仁美を真っ直ぐ見る事も出来なかった。
/ 259ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp