• テキストサイズ

【鬼滅の刃】月が綺麗ですね【R指定】

第8章 4枚の婚姻状


それはあらかじめ用意されていたような美しい文字だった。





その音は心地よく響き。

愛の囁きだというのならそうなのだろう。





だけど心地よい響きは耳まで届いたが、この胸を震わせることは無かった。





「…光陽を克服する為に、私が必要でしょうか?」

「…馬鹿な事を…。そうならばとっくにお前を喰っている。それがどれほど私が望んでいるか知っているのか?」





仁美はこの時までに、無惨の逆鱗に何度も触れている。

弱点の話など彼の目の前でして、生きているのは仁美くらいだろう。





そして無惨は寛大な方では無い。

むしろ短期で癇癪持ちだ。





それが仁美の前ではいかなる時も、穏やかに努めて仁美を宥めるように話しかける。





それがどれほど特別なことかを、仁美は全く気づいていない。





今だって、湧き立つ怒りを抑えて、必死に隠している。






仁美は彼に手が怒りに震えているのを目の端に感じた。

抱かれている体をそっと無惨の胸に寄せる。





彼の心臓は凪いでいて、とても静かに脈打っていた。





まるでこの愛の囁きが本物のように…。
/ 268ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp