第8章 4枚の婚姻状
仁美の手を止めて組み敷いた仁美を見下ろした。
濃い藍色の目が仁美を見据える。
「…生きて…俺の元に戻ってきてくれないか?」
義勇の目が揺れた。
そして雫が一つ仁美の頬に落ちる。
仁美は手を伸ばして義勇の頬をなぞった。
彼の目から綺麗な雫が流れると仁美の手に伝わる。
その感触に仁美は顔を顰める。
仁美は義勇を抱き締めた。
「…義勇様…。」
義勇への返事は出来ないのに、仁美は彼の名前を涙ながら呼んだ。
「ダメだ仁美、ちゃんと答えてくれ。」
仁美の腕を離そうとする義勇の手を仁美は払った。
そしてそのまま自分から義勇に口付けをした。
仁美の細い腕は簡単に振り払えた。
だけど義勇はやはり出来なくて、仁美の口付けにただ応える。
ちゅっちゅっと口付けを繰り返して、仁美は義勇を組み敷いた。
はぁ…と、熱い息を一つ落として、仁美はゆっくりと唇を離した。