第7章 鬼の宴
それは今まで見てきた童磨や猗窩座とは違って、醜い鬼を象徴した様な容姿だった。
容姿はまだ良かった。
その鬼の体型は仁美より遥かに大きく興奮したそのモノはどう考えても仁美の体には不釣り合いだった。
「嫌です…童磨様…何故?」
仁美は裏切られた気分だった。
涙を溜めて久しぶりの仁美の懇願を聞いた童磨は、どんどん恍悦に顔を赤らめて、その状況を楽しんでるとすら見えた。
泣く仁美を腕に収めると、童磨は仁美の足首に重たい枷を付けた。
その行動がまた理解出来なくて仁美は呆然と童磨を見上げた。
「私…逃げません…。童磨様が居なくても……。」
「うん…分かっているよ仁美。」
童磨は本気で仁美が逃げるなんて考えていない。
だけど仁美を落ちる所まで落とした時に。
彼女がどんな顔で自分に縋ってくるのか見たかったのだ。
ああ…ごめんね。
俺は誰よりも仁美を愛らしいと思うのに……。
仁美の涙と懇願にこれ以上ないほどの愛しさを覚えるのだった。
君はこの鬼と夜を迎えた後に、どんな顔を俺に見せてくれるのだろう。