第7章 鬼の宴
童磨は泣く赤子を宥める様に仁美を抱擁して頭を撫でた。
こんな風に自分に縋る仁美を見れるなら、他の鬼を当てがうのも悪く無いと思ってしまうほど。
しかし残念な事に、童磨の体ではもはや仁美を抱くのは不可能だろう。
他の鬼との情事を見ているだけで。
こうして仁美に縋られているだけで、下半身は意思とは反してもう仁美の体に入る大きさでは無い。
「猗窩座殿。仁美はこうして可愛がってやればちゃんと懐いてくれるぞ。」
少しの優越感を見せて、童磨は猗窩座に笑って言った。
それが猗窩座をイラつかせると分かってて。
「……分かったから…。俺の側に来い。」
やはり苛立ちを隠せない猗窩座の性格が出てしまっている。
低いその声に仁美は更に童磨の腕の中に顔を埋めた。
「…今日はもう仁美の体力も持たないだろう。休ませてあげよう。」
童磨は猗窩座から更に仁美を隠す様に体を動かせた。
納得がいかない猗窩座に、童磨はススッと体を寄せた。
「まぐわない時でも仁美に声をかけてあげるといい。最初は怖がるだろうけど、優しく接してやれば仁美だって心を開いてくれるさ。」