第1章 半々羽織
義勇が仁美の屋敷を目前にした頃。
数体の鬼を肉眼で確認した。
仁美の屋敷の周りをウロウロとしている。
ぼんやりと仁美の屋敷があるのに、鬼達は屋敷を認識出来ないでいる様だ。
どうやら耀哉の屋敷同様、仁美の屋敷には結界術が施されているようだ。
「……水の呼吸弐ノ型……。」
『水車!!』
義勇は目に入った2体の鬼の首を瞬時に切り落とした。
義勇の到着に、鬼達は一斉に義勇に飛び掛かる。
幸いにも集まった鬼達の中に階級のある鬼は居なかった。
たいした時間もかからずに、義勇は屋敷に集まった鬼を全て滅する事が出来た。
義勇は鬼達の全滅を確認すると、すぐに屋敷の中に入っていた。
「仁美!!仁美!!」
何度も仁美の名前を呼び、屋敷の中を叫んで走った。
途中で怯えて震えている使用人達と会ったが、その中に仁美の姿は無かった。
「すぐに隠達が来る、仁美は無事か?」
義勇は見覚えのある女の子に声をかけた。