第6章 虹色の目の無神論者
肌には噛み付いた痕1つ無い。
よくこれだけ理性を保てて抱けたモノだと感心すらした。
童磨は仁美の太ももに付いている血をひと舐めした。
強い痺れが全身を襲うと、これは稀血と一括りには出来ないほど甘美な快感だった。
「…酷い傷だと思ってたが……もう塞がっているのか。」
童磨は仁美の足を肩に掲げて、仁美の秘部を覗き込んだ。
「起きる気配も無いが、寝ている間に傷を癒しているのか?」
通常より傷の治りの早い患部を見て、やはり仁美の体の中に人間以外のなにかが働いている事は分かった。
しかし……。
この娘に触れると感じるこの奇妙な気持ちはなんだろうか。
喰らい付きたい強い衝動を抑えられるほどの湧き上がる別の感情。
この娘に傷一つ付けたくないと相反する強い思い。
「ああ…心地良い…。ずっと血を啜っていたい位だ。」
結局その衝動には抗えなかった。
童磨の舌は太ももの乾いた血を舐め尽くすと、段々と奥へと這っていった。
塞ぎきらない患部に舌がたどり着いた時、仁美の体がビクッと反応した。