• テキストサイズ

【鬼滅の刃】月が綺麗ですね【R指定】

第5章 傲岸不遜の鬼


鬼が目視で知り得る人間の細胞までの情報と違い、仁美の血はただの人間の血だった。

血は人間だと証明しているが、彼は仁美に感じた自分の直感を信じる事にした。




そしてまた何年かして、無惨は再び仁美の元を訪れた。

この時には母親の鬼は仁美を食い殺さないと確信していた。




だからまだ生きている仁美には驚かなかったが、3歳の頃と同じ様に自分を見上げる仁美に違和感を覚えた。

「この女児は喋れないのか?」

「………………。」



どうやら母親の鬼は知能は少なく、仁美に対して言葉を掛ける事をしていなかった様だ。

本能的に無惨の言葉に従い、仁美を育てていただけだった。




これでは敢えて生かして経過を見ている意味が無かった。

無惨は無意味な事に時間を費やす事を嫌う。

いつもなら、ここで母親の鬼と仁美を同時に殺していただろう。



しかし、この時の彼の行動は違った。

暗い部屋の中を歩き、仁美の前まで来ると膝をつき、仁美の目線まで体を屈めた。
/ 259ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp