第4章 赫き炎刀
天元は仁美から手を離すと杏寿郎の方を見直した。
「…おい。炎柱の代理よぉ。」
今度はズイッと杏寿郎の顔を近付けた。
「いいか。仁美は先に俺と夫婦になると誓い合ってるんだ。せめて柱になってから出直せ。」
「…………………。」
杏寿郎の頭をポンポン叩いて天元は牽制する様に言った。
仁美は呆れた様に天元を見て、牽制された杏寿郎は表情1つ変えず笑顔で天元を見返していた。
「よもや宇髄が先に婚姻状を渡していたとは知らなかった。」
「ああ?忍び舐めんなよ!んなモン渡してねぇわ!!」
「…天元様…。」
仁美は呆れた様に天元の名前を呼ぶと、天元は杏寿郎から体を離して仁美を見た。
「……お話をしたい事がありますから、お2人共座って下さい。」
仁美がそう言うと、天元は杏寿郎の隣に座って仁美と向き合った。
「……杏寿郎様…。貴方様は炎の呼吸の継承者と聞いてます。」
「うむ。そうだ。」
仁美の問いに杏寿郎が笑顔で答えると、仁美は顔を俯かせた。