第4章 赫き炎刀
昨夜も……熱い夜だった。
仁美は昨夜の杏寿郎を思い出して顔を赤らめた…。
杏寿郎に触れられる箇所はすぐに熱くなり。
激しく突かれ、時に優しく抱擁され。
彼との時間は夢心地の様だった。
(…杏寿郎様は柱代理もやられていて、かなりお強い隊士だ…。)
少しだけ、ほんの少しだけ杏寿郎と夜を過ごすのも鬼を恐怖する夜かは逃げられると考えた。
「あ、お前。今夫婦になっていいと考えただろう。」
「「!!!!!」」
仁美の背後から耳元で呟いたのは天元だった。
仁美も杏寿郎もいきなりの天元の出現に驚愕した。
「て…天元様!!また鎹鴉を通さず屋敷に…ー!」
仁美が喋っている途中で、天元は仁美の頬を掴んで仁美の顔を覗き込んだ。
ジッと見てくる天元の目に怒りが見えて、仁美は背中に悪寒が走った。
「……その目はどう言う事だ?」
天元は完全に鬼の目になった仁美に低い声で聞いた。
……もうこの2人には隠せない…。
仁美は覚悟を決めると小さく息を吐いた。