第4章 赫き炎刀
久しぶりに感じた鬼舞辻無惨の気配に震えながら、仁美は身体を丸めて頭を布団に押し付けた。
ドタドタドタドタ!!!
ガラッ!!!!
「仁美様!!」
夕暮れになったのを待ち浴びた様に、1人の侍女が仁美の部屋の扉を開けた。
急に大声で呼ばれて仁美はビクッと体を跳ねらせた。
侍女はかなり慌てた様に息を荒げながら仁美を見ている。
「た。大変な事が起こったんです!!!」
「……え?」
仁美は狼狽している侍女を見ながらやっと気が付いた。
杏寿郎様は何処に行った?
仁美は急いで侍女の後を追うと、一つの部屋から大きな声が聞こえた。
「ウマイ!!ウマイ!!」
仁美が襖を開けると、ガタガタと震えている隊士達と……。
豪快に食事をしている杏寿郎の姿だった。
隊士達が驚いて杏寿郎を見ている理由は、昨夜瀕死の状態だった同僚が不死身の様に復活しているからだろう。
(…杏寿郎様に部屋に篭っている様にお願いするのを忘れてた…。)