第4章 赫き炎刀
「ーーーーーーはっ!!!」
仁美が目を覚ますともう夕暮れで、部屋の中まて鈴虫の鳴き声が聞こえていた。
仁美は汗をかいていて、呼吸が荒く何度も何度も部屋の中を見渡した。
『繋がった。』
久しぶりに聞いたあの声に、心臓が大きく波打った。
仁美の目の瞳孔は縦長のまま戻らなかった。
鬼の目に完全に変化した。
(……牙は……。)
牙は無い…。
私は………まだ人間なのだろうか…。
だけどあの声が聞こえたあの瞬間。
確かに仁美は鬼舞辻無惨と繋がった。
それは一瞬の出来事だったが、真っ暗な意識の中彼の声が頭に響いたと同時に、後ろから抱き締められた感触…。
それは忘れるはずも無い。彼の腕だった。
(見つかった?いや大丈夫…。)
仁美は狼狽しながら震える自分の体を両手で抱き締めた。
ここは産屋敷同様の結界が張ってある。
長い何月、産屋敷もここも鬼舞辻無惨に見つかる事は無かった。