第4章 赫き炎刀
「…お前まさか…そんな気持ちで俺の側から離れなかったのか?」
「え?まさか。」
仁美は実弥の言葉にすぐに返事をした。
「私は実弥様の側に居る時が1番安心出来るんです。」
「………………。」
一点の曇りもない眼で仁美は実弥を見て言った。
実弥はそんな仁美を見て大きくため息を吐いた。
どうやら仁美とは色々話し合いが必要な様だ。
実弥は仁美に背中を向けると、そのまま歩き出した。
仁美は慌てて実弥の後を追った。
また2人で沈黙のまま歩き出した。
でも今回は実弥の肩は横にある。
仁美がチラッと横を見ると、背中では無くて実弥の顔が見えた。
仏教面で歩く実弥を見て、仁美は少し笑顔を浮かべた。
「……今度は藤屋敷にただ会いに来て下さい。」
「……気が向いたらな…。」
愛想の無い返事だったが、仁美は彼が会いに来てくれるだろうと思った。
「今度から冨岡は追いだせ。」
「……えぇー…。」