第4章 赫き炎刀
実弥の足が止まりゆっくりと振り返る。
仁美は驚いた実弥を見た。
彼がこんな風に真っ直ぐ見てくるのは初めてだった。
でも今更何を言えば分からない顔をしていた。
その様子を見て仁美は実弥が話しかけようとしているのが分かった。
彼の心情が何故変わったのか分からない。
だけど仁美はその変化に嫌な思いは無かった。
「……実弥様。」
話しづらそうにしている実弥に声をかけたのは仁美だった。
仁美の声に実弥は俯かせた顔を上げた。
「今度は任務以外で会いに来てください。」
そんな実弥に仁美はニッコリ笑って言った。
「きっと私達は話す事が色々あると思います。」
そう言って仁美はゆっくり実弥に近づくと彼の横に並んだ。
そしてゆっくりと歩き出した。
今度は背中を見るのではなく、隣に並んで。同じ光景を眺めながら。
「……冨岡と仲良くなり過ぎじゃねぇか?」
しばらく歩きながら実弥はポツリと言った。
そんな実弥の顔を見上げて、仁美は少し考えながら言った。