第1章 はじまり
「ごめん…マキア」
また頭をかきながら謝るクイトに、マキアは軽くため息吐きながら
「いいわよ。リリンちゃんを出して卑怯なことしてごめんなさいね。」
「いや…リリンの事考えるなら社交の場にネタとなるのは、父さんも母さんも怒るよな」
「そうよ。軍事演習の魔法関連の補佐は許可取ったかを後日に確認するからね?」
「わかったよ!ちゃんと許可取るさ」
焦りながら言うクイトに頷くマキア
「許可とったら仕事回すから、研究ができなくなるの覚悟なさい」
「ハハッ!頑張るよ!」
すっかり冷めた紅茶の入るマグカップを持ったクイトは、新しく入れてくるね!と言いながら執務室を出て行った。
フゥっと一息するマキアは立ち上がり
出窓にあるクッションに腰を掛けて、首都ヒュマの街並みを見下ろす。
「やってみせるわ。難題でも」
そう呟くマキア
マキア・ミへーラフィ
デビアン帝国担当外交副官 決定