第1章 はじまり
怒るクイトは、困ったように笑みを浮かべるマキアを見て
大きなため息をついて頭をガシガシとかいた
クイトの髪は更にボサボサになりながら
「僕も補佐に入る」
「クイト…貴方はテンイップ侯爵の家臣であるロボルーラ伯爵の家があるでしょ。」
「僕は三男だから、外交会で好きに動いても兄さん達や父さんは何も言わないさ!魔法塔所属であるし、マキアの副官だから何とかなる!!」
「ロボルーラ伯爵と話したの?」
「これから帰って言うさ!」
「反対されない?」
「反対させない!!」
ほぼ頑固な言い分のクイトにマキア軽くため息つきながら
「なら、軍事演習の魔法関連の補佐をお願い」
「要人の相手は??」
「話聞いてたでしょ?各侯爵の一派が各国の要人の相手するのよ?テンイップ侯爵の派閥に入るロボルーラ伯爵家もパーティーや会議要員は必要なはずよ。」
「でも!!」
「軍事演習の魔法関連なら魔法塔のことを出せるわ。でも、中立派でない家臣がミへーラフィ侯爵家の手伝いしたら、ロボルーラ伯爵や兄様達が良くても、周りはどう見るの??」
「っ!?…そ、それは…言わせておけば」
「クイト、貴方には今年の社交界でデビューする妹のリリンちゃんがいるんじゃないの??」
「関係ないよ!」
「関係あるわ!おバカ」
「な!?」
「社交界は結婚の為の大事な場の一つよ。デビューする家の派閥や兄弟のこと含めて検討するには結婚には大事なステータスなの。それなのに兄の一人が派閥ではないミへーラフィ侯爵家の外交会を手伝ったらどうするの??リリンちゃんを結婚させない気?」
「あ…っ…」
黙り込み下を向くクイト
クイトが妹のリリンを可愛がってるのは前から知っていた
ロボルーラ伯爵やクイトの兄たちはマキアのことを良くしてくれて、領地にも行ったことはある
もちろん、クイトの妹のリリンにも何回も会い可愛がってた。
だからこそ、厳しい言葉を言ったマキア