第4章 おでかけ
テーブルの上に様々な料理が運ばれてきて、テーブルを埋め尽くす
料理に合うお酒も注がれる
「すごいわ。」
「美味しそう!」
「どれもいい匂いがするね」
「美味そうだな…」
ビィナ、エマリビア皇太子妃、レンヒ、ギルヴァが料理を見てそれぞれ嬉しそうにするのを見て、マキアは微笑み
「いただきましょ?」
そう言って食事を始める。
いつもはだいたい魔法塔にて、クイトが食事を持ってくるのを一緒に食べることがある
たまに侯爵家の食事会は息が詰まる空間で食事なんて楽しめない
だけど、今は……
話をしながら美味しいと言って食べる魔族4人を見ていて、食べながら笑みを浮かべるマキア
(こんな楽しい食事は久しぶりだわ。)
そう思いながら料理を口に運ぶマキア
お酒を飲みながらも、肉料理を口に入れるギルヴァは同じく食事をしながら、ビィナやエマリビア皇太子妃と楽しく話をするマキアを見ていた。
やっぱり気になって目で追ってしまうが、ふと…マキアと視線が合いそうになると、何も無いかのように目を逸らすギルヴァ
(気にしすぎだろ……俺……)
自分に言いながら、料理を飲み込み、お酒も飲み込むギルヴァ
それぞれが思いを浮かべながら
食事を楽しみ、満腹になっていく
「ふぅ……」
食事を終えて店を出てすぐ横に立ちながら、黒い煙草に指で火をつけて紫煙を吐き出すギルヴァ
喫煙室が分からず、外にて煙草を吸うギルヴァはふと街を行き交う人々を見ていた
昼過ぎというのもあり、多くの様々な種族の人や馬車が通っている。
ふと、視線を感じて目を向けると…
ギルヴァが気になるのか見ながら話していた人間の女たちが居た。
服装から貴族の令嬢だろ……
だが、ギルヴァと目が合うと、驚きから怯えの顔に変わり行ってしまう。
普通の反応ならこうだ。
(それが普通なんだろうな。)
そう考えるギルヴァ