第3章 なかよし
ギルヴァとレンヒが車体の扉を挟んで立ち
レンヒが手を出して、エマリビア皇太子妃とビィナが乗り込むのをエスコートした
マキアが少し戸惑っていると、ギルヴァが手を差し伸べ
「中が見えなくて不安だろうが亜空間の一種だ。怖いことは無い。」
そう教えてくれたギルヴァにマキアは頷いて、ギルヴァの手を握る
「怖いならそのまま握っていていい。俺からは離さないから。」
「あ、ありがとうございます。ガイベルド卿」
ギルヴァの言葉に甘えて、大きな手を握るマキアは握ったまま車内への光に向かって入る。
ギルヴァはマキアついて行く形で同じく入り、それに続いてレンヒも入る。
少しピリッとする感覚があるも、
入る時に閉じていた目を開くとそこには……
ダークグレーがメインの広い部屋になっていた。
床はふわふわした絨毯
真ん中には黒のローテーブルとティーセットが用意してあり
黒のローテーブルの周りには、大きなグレーのビーズクッションが、人数分あり、先に座ってるビィナとエマリビア皇太子妃が手を振る
「大丈夫?先に言っとけば良かったわね。」
心配するビィナが近寄ってきて安心したのか微笑むマキア
「このような空間魔法は初めてなので驚きましたが大丈夫です。」
「そのようね?」
ビィナはニヤニヤとするのに気付いたマキアは、ビィナの視線を追うと…
ギルヴァと手を握ったままのマキアは頬を赤らめ手を離す
「も、申し訳ありません!ガイベルド卿!握ったままでしたわ。」
恥ずかしそうに謝るマキアに、フッと笑うギルヴァ
「構わないさ。大丈夫なようで良かったよ。」
そう言いながらマキアの頭をポンポンと撫でるギルヴァ
「あ、ありがとうございました。」
頬が赤くなったまま頷くマキア