第2章 であい
「あの……」
ふと、マキアに声を掛けられたギルヴァは考えていたのを中断させて
「どうしました??」
「あの、私は急いで戻らないとなのでここで失礼してもいいですか??」
「あぁ!そうか。戻るのか……すまぬな?引き止めて」
そう謝るギルヴァに首を横に振るうマキア
「いいえ!お会いできてよかったです。デビアン帝国の皆さまをお迎えすることが出来ますから」
「そう思ってくれるなら良かった。俺ももう行くよ。また首都でな?」
「え?…えぇ!またですわ。」
ギルヴァのまたという言葉に少し驚きながらも笑みを見せて返事をしたマキアは、レライを召喚獣がいる異界へ戻すと、緑色の魔法陣をまた展開させ
「わたくしに応えなさい。“ウィンファルコン”」
そう唱えたマキアの後ろにギルヴァより2回りはある大きさのハヤブサが出てきた
「ほぅ…更に別の召喚獣か?」
驚きながら見上げるギルヴァにマキアは風の召喚獣のウィンファルコンに乗り込む
「ウィー!ごめん。急いで魔法塔に戻って欲しいの!」
「〜主殿…侯爵邸じゃなくていいのか?〜」
「あそこは支度するには不便なのよ……だから魔塔にて支度するわ。」
「〜良いが……スピード出すぞ?〜」
「構わないわ!」
そう言ったマキアに頷いたウィンファルコンは鳴き声をあげながら翼を広げた
マキアはギルヴァを見ながら
「では、失礼しますわ!ガイベルド卿!」
「あぁ!気をつけてな!」
ギルヴァは手を振りながら、飛び立ったマキアが見えなくなるまで見送り、騎竜に乗り込む
「そういえば……」
デビアン帝国では、子供はもちろん…大人である軍所属ではない城の者でさえ、ギルヴァを初めて見た時には恐怖で話もできないことを思い出して
「なぜ、あの子は普通だったんだ??」
そう疑問に思いながら手綱を叩き、皇太子達の元に追いつくために走り出したギルヴァ