第1章 はじまり
「………ん?……」
ふと私の執務室に近寄ってくる早歩きの足音に気付きながら
背もたれにかけてた背中が離れて
巻物の書類を机に置いて
横に置いてあるお気に入りの紫色のマグカップを両手で持ちながら
少し冷めてしまった紅茶を1口飲んだ時……
=バン!!
と大きな音と共に現れたのは
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
茶色のはねてる短髪にクマが酷い茶色の眼をして、深紫のローブと灰色のボロボロのズボンが見える人物
ヒューニンザ魔法塔のマキアとは同期で補佐
クイト・ロボルーラ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「マキア!!」
「クイト……また徹夜したのね……上に言われるからしないでとお願いしたはずよ?」
「気になる魔法陣の論文を見つけてね……って違う!!」
「何が違うのよ」
マグカップを机に置いて、クイトのいる扉の方を見ると
クイトは執務机の前まで来てマキアの前に1つの巻物を見せつける
「これどういうこと??」
そう言いながら巻物から手を離すと、空中で巻物が広がり、中身が見えるようになる
《 ~指令~ 》
《マキア・ミへーラフィに命ずる。デビアン帝国との外交副官の一人として対応せよ》
巻物にはそう書かれていて、読み終わったタイミングで巻物は閉じて机に自動的に置かれた
「あら……届いたのね……」
「届いたのね??マキアは分かっていたの?」
「えぇ……だって、養父からの命令だもの」
「なんだって!?」