第12章 たこく
「その……私……初めてで…足を引っ張って…
ギルヴァ様にご迷惑掛けちゃうので……踊らなくても…」
恥ずかしそうにマキアは言いながらも…
チラッとダンスエリアで踊るキドウィン皇太子とチェシア皇太子妃を見たのだ。
そんなマキアの肩をガシッと掴むビィナ
「大丈夫!ダンスは難しいことなんてないわよ。
マキアの初めてのダンスの相手するわよね??ギルヴァ」
「2人はせっかくお揃いの綺麗な衣装なんだから、
踊ったらきっと素敵だと思うよ!」
レンヒが微笑みながらマキアからギルヴァの方を見る
「初めてのパートナーなんだから、
初めてのダンスをするのは当たり前よね??ガイベルド大将軍?」
初めてを強調して言うエマリビア皇太子妃
ビィナ、レンヒ、エマリビア皇太子妃が睨むようにギルヴァを見る。
ギルヴァは頬をかきながら、気まずい顔をする中…
「ここで踊らないと……
ダンスのお誘いで他の男が来ても、
君は文句を言えないよ?ガイベルド大将軍?」
ギルヴァしか聞こえないガエテ皇太子の鋭い言葉に、
眉間に皺が寄るギルヴァ
「……はぁ……」
大きな溜息をついたギルヴァは、手をマキアに差し出し
「変なこと言って悪かった。
踊ろう……マキア…
俺がサポートするから、安心していい。」
少し照れたように言うギルヴァ
「は…はい!」
マキアは嬉しそうに笑顔になり
差し出されたギルヴァの手に自らの手を添える
「大丈夫よ!マキア!
どんなに足踏んでもギルヴァならなんともないから」
「それ……ビィナが言うんかよ………まぁ、気にしないけどさ。」
ビィナにギルヴァが呆れながらツッコむ
クスクスと笑いながらビィナはレンヒの側へ…
マキアは首を横に振りながら
「ふ、踏まないようにします!
私…踊るのなんて……授業の時以来かもです。」
「社交場で1度も本当に無いのか?」
「ダンスのお誘いをして下さったことあるんですが……
私がローブとスーツとかの格好だったので…
場に合わないと思って断ってたんです。」
言いながら苦笑するマキア