第12章 たこく
「おい……まさか……両殿下…変なこと考えてねぇよな?」
苦笑するギルヴァ
ガエテ皇太子とエマリビア皇太子妃は満面の笑顔
「さっき、ヒューニンザ帝国のエドウィン皇帝陛下の側近が来てね。
キドウィン皇太子とチェシア皇太子妃が踊るのが終わったら、
各国の代表と関係者が踊るようお願いされたんだ。」
笑顔で説明するガエテ皇太子
驚いた様子のマキア、ビィナ、レンヒ。
「え?各国代表と関係者の全員ですか??」
「そうよ。ウチ(デビアン帝国)は、ちょうどペアが綺麗になってるからね。」
レンヒの確認に、頷くエマリビア皇太子妃
「この国の曲よく分からないわよ?」
「それは大丈夫らしいよ。万国共通の曲を演奏してくれるって言ってたよ。」
ビィナの問いに、答えるガエテ皇太子
「俺は踊らないぞ。」
デビアン帝国一行の中で、
ギルヴァだけが嫌悪感が丸出しの顔をする。
レンヒとビィナは呆れて溜息つく中
「言うと思ったわ!ダメよ?ガイベルド大将軍、踊るの!」
エマリビア皇太子妃が注意する。
「俺は踊らない。
ダンスなんて記憶ないくらい昔にやったので散々なんだよ。
両殿下…ビィナとレンヒの4人で充分だろ。」
「ここでワガママ出さないでよ。ギルヴァ」
「僕だって慣れてないけど踊るんだから……ギルヴァも踊らなきゃだよ!」
ギルヴァの拒否の姿勢に、
ビィナは文句を言い、レンヒは半泣きでお願いする。
「踊りなさい。皇太子命令だよ。ガイベルド大将軍…」
笑顔のままのガエテ皇太子に、鼻で笑うギルヴァ
「皇太子命令って言えば、
俺が動くと思ったら間違ってるぞ??ガエテ皇太子」
「そう??踊っておいた方がいいよ。
ミへーラフィ侯爵令嬢との思い出に…いいと思うよ?」
ガエテ皇太子が言いながら、軽くマキアの方へ手を向ける
デビアン帝国の全員がマキアを見る。
「あ……えっと……」
5人の視線を感じて驚きながら戸惑いを見せる
ダンスはパートナーが居ないと出来ない。
だからこそ、ダンスをするのは憧れていたマキアがいた。