第11章 かいかいぱーてぃー
開会宣言の乾杯などをした
パーティーが開始したのは…
約4時間前のこと
リサンドが着いたのは…ついさっき…
リサンド以外の
マキア含む魔法塔所属の全員が、
今日1番の大きな溜息をついた。
「僕は、他の副長に連絡してきます。
あと……皆さんはもう大丈夫です。
魔法塔長の捜索はご苦労様でした。
行っていいですよ。
また指示があれば、連絡しますから……」
デニス副長が呆れながら歩きだし、
他の魔法塔員達に声を掛ける
魔法塔員達は、デニス副長に返事をして
デビアン帝国の3人とマキア、クイト、リサンドに
それぞれ一礼して会場へ戻った。
「そりゃ、探してもいないよ。マキア
来たのさっきじゃん。こんな遅れると思わないさ…」
クイトがマキアに声かける
マキアは額に片手を当てて下を向く
「まさか…こんな遅いと思わなかったです。
…魔法塔長の自覚ありますか??……リサ…」
「あるわよぉ!魔法塔長じゃなかったら、
開会パーティーなんて参加しようと思わないもん。」
悪びれもなく答えるリサンドに、
何回目かの溜息をつくマキアとクイト
「まぁ、来ただけいいですね。」
そう言いながらマキアは
額に当てていた片手をリサンドへ向けると
拘束などをして、皺になったリサンドの服を
緑色の魔法陣がリサンドの背中に展開され風により綺麗に整えた。
「まぁ…ありがとうね?マキア」
「礼には及びません。……クイト…」
「失礼しまーす!!」
リサンドの礼に対して微笑みながらのマキア
クイトは亜空間から出した透明の腕輪をリサンドの片手に装着した。
「あっ…ちょ!?…クイト?何したの?」
クイトの速い動きに、リサンドは驚きながら腕輪を見る
「試作品なんだけど…
魔力制御の新しい魔道具できたんだよ!
実際に装着してもらおうと思いましてね?」
クイトはニッと笑みを見せながら、
リサンドに装着させたのと同じ透明の腕輪を3つほど出した。
「そんなの無駄なの分からない?
こういうのは……魔力を注ぎ込めば…ね……」
リサンドが腕輪を囲むように黄色の魔法陣を展開させる
腕輪に小さな電流が流れるが
リサンドの腕から腕輪は外れず、亀裂もない。
「ん……?」