第11章 かいかいぱーてぃー
笑いながらアグセルピの尻尾を優しく撫でるマキア
ギルヴァは黙って、マキアの肩に手を添え
赤色の魔法陣をマキアの身長に合わせた大きさで横に展開させ
一瞬で水でびしょ濡れにだったマキアのことを、乾かしてふんわりとさせたのだ。
「ちゃんと乾いたな……寒くないか?…マキア」
「大丈夫です。……ギルヴァ様…ありがとうございます」
マキアの頭に軽くキスするギルヴァ
瞬間的な出来事にビックリしながらも
微笑みながらお礼を言うマキア
「んで……」
ギルヴァがアグセルピの尻尾に拘束されてる熊を指差し
「アレは何だ?…マキア」
マキアに聞くギルヴァ
深紫色のローブを羽織った魔法塔員達の方をギルヴァが見るも
召喚魔法に驚いていた魔法塔員達は、
ギクッと肩を揺らし下を向いてしまう。
ギルヴァには優しく微笑みながら離れて
熊の方を見るマキアの笑みは怒りを含ませていた。
「捕まったのだから、そろそろ解いたらどうですか?」
熊に声を掛けるマキア
だが熊は笑いながら
アグセルピの尻尾から抜け出そうとしている
その反応を見たマキアは冷たい目つきになり
「アグセルピ……」
「〜はいはーい!〜」
魔法陣から返事をするアグセルピは尻尾の拘束力を強めていく
熊が驚いて首を横に振っている。
その時
緑色の魔法陣がギルヴァとマキアの傍で展開され
「待った!待った!!」
風が吹き、クイトが叫びながら
1人の男性と一緒に緑色の魔法陣から現れた。
「あら……早いのね?クイト卿
それに…デニス副長も一緒でしたのね。」
息が少しあがってるクイトと…
一緒に現れたのは深紫色のローブを着てる
デニス副長と呼ばれた白い肌のスキンヘッドに黒い瞳の男は、
膝に手をつき咳き込みながら息をする
「絶対にこうなってるって思ったよ!
気持ちは分かるけどダメだよ!マキア!」
「はぁ……はぁ……ゲホッ……
とりあえず……拘束を……ミへーラフィ候爵令嬢」
クイトは綺麗にセットした頭をかきながらマキアに注意し
デニス副長は息を切らしたまま、拘束解除を求めてる