第11章 かいかいぱーてぃー
少し時間が戻る……
「ったく……長ぇ……」
軽く舌打ちをするギルヴァ
「疲れたよ…」
溜息をつくレンヒ
ギルヴァとレンヒは
キドウェン皇太子から解放されて、控え室へ行く為に会場の大広間から廊下へ出てきた
「疲れたよ…じゃねぇよ。
レンヒはずっと頷いてただけじゃねぇか。話をしていた俺のが疲れたが?」
「戻ろうとした僕を軽く睨んで止めたのはギルヴァじゃないか!」
「1人であのキラキラの相手をできるかよ…」
「ヒューニンザ帝国の皇太子なんだからさ…言葉に気をつけてよ……」
「キラキラって言って何が悪いんだよ。
慣れない敬語と質問攻めを必死に考えて話したんだ。頭が疲れる。」
「だからって……」
レンヒが更に注意しようとしたら……
「えっ!?」
「…っ!?」
レンヒの体内にあるビィナの魔力が揺れ
ギルヴァの体内にあるマキアの魔力が強く揺れる
お互い感じた感覚に、
レンヒとギルヴァは顔を見合わせる。
「おい……今のって……」
「うん……
スヴァガルで稀にある感情による相手の魔力揺れだよ。
ビィナも、マキアちゃんも、会場の休憩エリアにいるはずじゃなかったの?」
レンヒはギルヴァに説明しながら、会場へ繋がる扉の方を見る
「いや……この先にいる。」
ギルヴァが言いながら控え室の方へ続く廊下と繋がってる
別の方へ行ける廊下にマキアの魔力を感じて走り出した。
「待って!…何する気?ギルヴァ!」
レンヒも走り出す
「状況を見て判断する!ここが他国なのは分かってるが…
ウチ(デビアン帝国)を最優先に動くに決まってる!!」
「…っ…」
その瞬間
=ブゥン………ドシャ!!!
「きゃー!!」
魔法展開の音
悲鳴聞こえ
ギルヴァとレンヒの表情が真剣になる
「チッ!…レンヒ!!」
「もう!!わかった!!」
ギルヴァは黄色い魔法陣をレンヒと自分の足元に展開させてスピードを上げて
レンヒは亜空間から天球儀を1つ出す
2人は一気に走り、音のあったT字路の廊下を曲がり
「ビィナ!!いるの!?」
レンヒが呼び
「マキア!!」
ギルヴァも呼んだ