第11章 かいかいぱーてぃー
「ただいま………あれ?ガエテ皇太子とレンヒは?」
ギルヴァが首を傾げ、いない2人のことを聞くと
エマリビア皇太子妃が不満そうな顔で右の方を指差す
指さした方を休憩エリアから出て見渡すと…
休憩エリアからそんな離れていない場にて
ヒューニンザ帝国の皇太子キドウェンと
デビアン帝国の皇太子ガエテが話をしていて
2人の皇太子の近くにそれぞれの護衛騎士がいる中、
レンヒはガエテ皇太子の後ろにいた。
周りを警戒しながら見渡してるレンヒとギルヴァが目が合い、
レンヒが助けを求めている表情なのが見えた。
ギルヴァは軽く溜息をつき、口パクでレンヒに向けて
「待ってろ…」
伝えてから休憩エリアへ戻り…
「エマリビア皇太子妃、あれはいつからだ?」
「もう1時間近くなるわよ……
休憩エリアに入ろうとしたら声掛けてきたんだもん。」
ギルヴァの質問に、不満そうに答えたエマリビア皇太子妃
「長いな……レンヒもあの顔になるか…」
「ガイベルド大将軍!ガエテ皇太子を休ませたいから連れてきなさい!!」
頬を膨らませて命令するエマリビア皇太子妃に
ギルヴァは深呼吸して頭を下げながら
「かしこまりました。
マキア、ビィナ…エマリビア皇太子妃を頼んでいいか?」
「もちろんよ。」
「分かりましたわ。」
ビィナとマキアが、ギルヴァに返事をし
ギルヴァは休憩エリアを出た
「マキアも疲れたでしょ?ほら…座って!」
「エマリビア皇太子妃、ありがとうございます。」
マキアはソファーへ座った。
「失礼…。先を急いでるんで……」
声を掛けられてもギルヴァは片手を上げて詫びを伝えて歩き
キドウェン皇太子とガエテ皇太子のいる所へ
先に気付いたキドウェン皇太子の護衛の騎士が身構え
デビアン帝国の護衛騎士は頭を下げた
レンヒが嬉しそうな顔をする
ギルヴァはレンヒの反応に呆れながら
「お話し中に失礼いたします。
キドウェン皇太子殿下、ガエテ皇太子殿下…」
「おぉ…デビアン帝国の大将軍が来ましたか…」
「来たね…」
ギルヴァが頭を下げながら声を掛け
キドウェン皇太子とガエテ皇太子の2人は笑顔でギルヴァを見る。