第11章 かいかいぱーてぃー
「そうだよな?5年振りか?」
「7年になるよ。テイツチ大国で会った以来だろ」
「あぁ…そうだったな……イセドは傭兵だったよな?」
「傭兵はやってた時はあるが、あの時はヒューニンザ帝国軍に入ってばかりだったな。
テイツチ大国の国境近くにある地方に駐屯していて、テイツチ大国によく行ってたんだ。」
「昼夜問わず一人でウロウロしてたから、てっきり傭兵かと思った。」
「まぁ…軍服は着てなかったし…仕事じゃない時にもテイツチ大国にいたからな。自由に見えたんだろ?」
「酒場か色んなギルドにいたら思うだろ。」
「手伝ってくれた仕事以外にも色々やるには自由のがいいんだ。」
「…遊んでたわけじゃねぇんだな?」
「おい…」
ギルヴァとイセドが笑いながら話をするのを
マキアは少し新鮮に見えていた。
「んで、少将になってる今は訓練と仕事の毎日か?」
「まぁ、軍だけじゃなくて、兄貴と一緒に伯爵家の仕事もあるし…それに家庭もあって忙しくても楽しいんだ。」
「そっか…イセドは伯爵の家なのか…
ん?…家庭?……あれ?今日は1人か?」
「あぁ、妻は2人目を妊娠中でな。そろそろ予定日近いんだ。
だから無理させたくなくて開会パーティーには行かなくていいって俺が言ったんだ。」
「そうか!結婚だけじゃなく子供まで…おめでとうな!」
「ありがとう!家庭を持つなんて思わなかったけど、縁あってな。それで今は可愛い娘がいるんだよ。そして2人目もなんだなぁ……」
イセドが嬉しそうにデレた笑みを見せる
「おめでとうございます。ゲルズ少将…奥様が無事に出産をするのを願っております。」
「ミへーラフィ侯爵令嬢、ありがとうございます。」
幸せそうなイセドにギルヴァとマキアも笑みを浮かべる
「呑みに誘おうと思ったが……奥さん最優先を前提に時間作ってくれるか?」
「時間な?いいぞ。もちろん!妻は最優先だ!
ギルヴァが分かってくれて嬉しいよ。」
「分かるさ。てか、家庭が大事なイセドのことだから、
もう今日は帰りたいんじゃないのか?」
「あぁ…開会宣言は終わったし、
すぐに帰りたいんだが……
上官を見つけられなくてな……」
「魔力が混ざって探知なんて無理だろうからな…」
ギルヴァの言葉に、大きく頷くイセド