第10章 がいこうかい かいし
「デビアン帝国の皆様!申し訳ございませんが…会場に戻って頂けますか?他の国の方にもお声を掛けさせて貰ってます。」
会場スタッフの男性の声に、レンヒが行き扉を開けた
「声掛けご苦労さま……僕たち以外の行動を聞いてもいい?」
「あ…はい!控え室に行かれなかったのは、聖クルセミア教会の方と同盟国GJRIの方です。
テイツチ大国の方が10分程前に会場に戻られました。
レイミセイ大国の方には、こちらへ来る前に声を掛けて会場に行かれましたので……」
「もう僕らも戻るよ。ありがとう。」
レンヒが会場スタッフに伝えて扉を閉めた。
「〜ほらね?……だから、戻った方がいいよ。主〜」
「アスクレパ、ありがとうね。」
マキアの礼にアスクレパは軽く首を振りながら
「〜いいよ。別に。ほら、ミルアもロソガも…異界戻るよ?〜」
「〜えぇ!!俺!まだ主といたい!!〜」
「〜ワガママ言わないの!もう!アスクレパ、お願いしていい?!〜」
駄々こねるロソガに一気に近寄りまた尻尾で拘束したミルアは、アスクレパの背に乗り声を掛ける。
「〜はいはーい。んじゃ、主…交流頑張れよ〜」
「〜めんどくさいのは無視するのよ!主!またね?〜」
「〜あぁ…主!次は遊んでよね…またね…〜」
「ありがとうね。助かったわ。アスクレパ、ミルア、ロソガ」
アスクレパ、ミルア、ロソガの順にマキアに声を掛けて、水色の魔法陣が展開されて消えた。
マキアはデビアン帝国一行の方に向き直して
「召喚獣達がお騒がせしました…」
「いいのよ。今は時間なかったけど、今度お話させてね。」
エマリビア皇太子妃はキラキラとした笑顔で興味持ち
「それぞれ可愛い子達だったわね。」
ビィナも微笑み、大丈夫と言った。
「さて、もう本当に行かないとだね。」
レンヒが扉の方から戻ってきてビィナに近寄る
「いちよう、今は話したいことは話せたからいいだろう…」
ガエテ皇太子は着ているジャケットを整えながら、エマリビア皇太子妃の傍へ
「色々と考えることはあるが……今は開会パーティーだ。」
ギルヴァはマキアの肩に手を回し引き寄せる
マキアは深呼吸して
「えぇ……皆様…参りましょう。」
全員が返事をして、控え室を出た。