第10章 がいこうかい かいし
「リサは魔法塔長だし…私の召喚獣のこと知ってるわ。見つからなくても仕方ないのよ?ロソガ」
「〜ごめんよぉ…主…〜」
「はい。泣かないの…ミルア、離してあげなさい。」
マキアの言葉に涙を浮かべるロソガ
ミルアはマキアに言われて尻尾での拘束を解き、
ロソガは自由になりマキアの両掌に乗る
「〜相変わらず、甘えん坊の坊ちゃんねぇ?ロソガ?〜」
「〜うるせぇ!…主の役に立ちたいんだ!悔しいんだ!〜」
「〜悔しいのは分かるけど、そうやってすぐ甘えるなって言ってるでしょ!!〜」
「もう…喧嘩しないで……ロソガ、ミルア…先に戻すわよ?」
「〜イヤだ!!〜」
「〜イヤよ!!〜」
マキアの言葉に、ロソガとミルアは声を揃えて拒否した。
その反応に、溜息をつくマキア
「まぁ、副長達やクイトからの連絡ないとすると…見つからないということは……まだ会場に来てないのかしら。」
「〜自分も軽く会場に繋がる扉にて魔力探知をしたけど、あの会場はダメだね。魔力の数が多すぎて邪魔になって見つけられない。〜」
「そうよね……上位のアスクレパでもね……そういえば、アスクレパ…よく見に行こうと思ったわね?人混み嫌いでしょ?」
「〜うん。大嫌いだよ。でも、主とデビアン帝国の人達は会場の様子を知らないだろうからさ……隠れながら会場を視てきたよ。〜」
アスクレパが疲れた様子で座ると、マキアは近寄りロソガを肩に乗せてからアスクレパを撫でる
「アスクレパ、ごめんなさいね。控え室の扉の前で守ってくれるだけでも心強いんだからね?」
「〜いいよ。謝る必要はないさ…。それに視てきて良かったよ。そろそろ戻った方がいいよ?主とデビアン帝国さん達〜」
「え?」
「誰か言ってたか?」
マキアの反応に、ギルヴァがアスクレパに聞く
「〜……言ってはないよ。でも、もうすぐ呼びに来るはずだよ。…だって、自分が視てる時に、君たちみたいに控え室に行ってた者たちが会場に戻ってきたんだよ。〜」
アスクレパがギルヴァに答えを言った時
控え室出入口の扉がノック音がする