第10章 がいこうかい かいし
「クイト卿、俺は気にしなくていい。マキアの補佐として緊急なんだろ?」
茶色の蝶々はマキアの肩に止まって、クイトの声が聞こえる
「〚やはりお傍に居たんですね。お気遣い感謝します。
……マキア、特大転移魔法鉱石の話って……〛」
「副長達が知ってるかなと思ったけど……
少し周り見たけど…反応で分かるでしょ?」
「〚知ってるの一部だと思う。やっぱり……〛」
「えぇ……リサよ……あの人しかない。」
そう話をしていた時…
エドウィン皇帝陛下が…更に!と言葉を発した。
「〚転移魔法鉱石の提供にあたって、設置などは我が国の魔法塔を中心にやってもらう!!もちろん!魔法塔の負担にならぬよう…案内の担当している各侯爵一派も協力してもらおう!〛」
転移魔法鉱石の設置についての説明をしたエドウィン皇帝陛下に、各侯爵家の当主達の顔が驚きと戸惑いの表情となる
「〚転移魔法鉱石の提供により、各国への帰国と再度の来国について距離と時間の短縮になることを約束しよう!!〛」
そのエドウィン皇帝陛下の説明に、驚きと歓喜の声が会場から上がる
「だと思ったわ……まったく…リサは本当に……仕事を勝手に増やす。」
「〚僕……あの人を土に埋めたくなってきた……〛」
「その気持ち分からなくもないわ。クイト……貴方はテンイップ侯爵家の意向を聞いてからだと思うけど、レイミセイ大国の方を見なさい。」
「〚それを言うと思ったよ。でも断るからね?〛」
「クイト卿??」
「〚ミへーラフィ侯爵令嬢、言葉に威圧を含ませないでねー??
通信送る前に父さんには言ってあるんだよ。そう予想できてたから〛」
「手回し早いこと……」
「〚同期なんだよ?僕たち〛」
「なら……ロボルーラ伯爵に感謝して、有難くクイト卿を使わせて貰うわ。早速だけど……クイト卿、リサを探して。」
「〚えー?あの人、開会パーティーに来てるの?〛」
「絶対来てるわ。副長達はほぼ全員がこの会場にいるのよ。それにパートナーのことを手紙で送っておいたの。」
「〚え!?手紙で報告したの!?〛」
「事前にパートナーのこと報告しなかったら、何言われるか……大丈夫よ。私のパートナーは頼りになるわ。」
ね?と微笑むマキアに、ギルヴァはフッと笑い頷く