第1章 はじまり
ガエテ皇太子はイタズラっ子のように舌を軽く出しながら、アラバサ皇帝の後ろに周る
「図星だから、僕への呼び方が昔に戻ってますよ?兄様」
フフッって笑いながらガエテ皇太子が言った言葉に、我に返ったギルヴァは軽く咳払いをする
そんな2人の間にいるアラバサ皇帝は大きな咳を1つして
「決まりだ!!他国だからいきなり妻は難しくても女は作れ!ギルヴァよ!」
「それはあまり変わらないことですよ。」
「どっちみち、パーティーにてエスコートする人がいないのは兄様だけですよ??」
「は?ガエテ皇太子何を言って……」
「だってそうでしょ??ビィナはレンヒの婚約者なんだし。」
そう言われて、思い出したギルヴァ
レンヒの家であるシクロスキー家は辺境伯爵の家で、レンヒは三男というのもあり継ぐ家がなかったので散々と女遊びしていた
そして、ビィナの家であるネクラーノア家は侯爵で兄が居るが長女というので兄を支えるために婿養子を探していた。
社交界にて親同士が決めて最初は当人たちは我関せずだったが、女遊びをしてる所をビィナに見つかり、怒りの大魔法(下手したら土地が吹き飛ぶくらいの威力だったらしい)をレンヒに浴びせた。
ほぼ瀕死だったレンヒは魔法の威力なのか、目が覚めたのか分からないが、それからビィナに惚れた。
ギルヴァが今回報告した遠征に行く前に婚約パーティーに出席したのだ。
さっきの召集会も、レンヒは真っ先にビィナの元に行き一緒に仲良く帰って行った。
そして、ガエテ皇太子はエマリビア皇太子妃がいる。
ということは……
「外交会のエスコート必要な時には、俺は1人……」
「大正解!!」
拍手をするガエテ皇太子は自分のこと軽く睨むギルヴァをケラケラ笑いながら
「妻探しはさっき浮かびましたが、エスコートは参加の立候補の時に考えてましたよ。兄様……考えが足らなかったですね?」