第10章 がいこうかい かいし
クイトの注意と、
マキアの説明に、
リリンは顔が青ざめていく。
そう……
リリンはロボルーラ伯爵令嬢
外交会ではギルヴァのパートナーとなってるマキアはデビアン帝国の賓客の1人となっている。
各国賓客を案内する担当の侯爵家の者でないのが、デビアン帝国からの賓客となってるマキアに声を掛けてしまったのは……
ヒューニンザ帝国のマナーに反しているのだ。
「すみません!!私ったら……なんてことを……」
頭を下げるリリン
「僕も謝罪を申し上げます。妹に予め説明しておくべきでした。申し訳ございません。」
クイトも頭を下げる
「ったく……めんどくせぇな?ヒューニンザ帝国のマナーつぅのは……」
謝る2人に声をかけたのは、ギルヴァだった。
涙を浮かべるリリンとクイトが軽く頭を上げて驚き
マキアはクスクス笑う
「ガイベルド大将軍様?…そう言わないでくださいな。2人はマナーを改めて学べたということですよ。」
「ミへーラフィ侯爵令嬢……ヒューニンザ帝国のマナーをよく知らない俺らは別に気にしないさ。
知り合いなんだろ?…なら、好きにすればいいんだよ。」
なぁ?って言うギルヴァに、ビィナとレンヒは微笑み頷いた。
それを見たマキアは頷いて、リリンとクイトの方を見て
「大丈夫ですってよ?…私もね…気にしてないのよ。
リリンに久しぶりに会えて嬉しいのは私も同じなの…だからさっきも普通に話したでしょ?」
軽くウィンクをするマキアにリリンは笑みを見せて
「マキア姉様……デビアン帝国の皆様……ありがとうございます…」
「デビアン帝国の皆様に感謝します……マキアも…ごめん…ありがとうな?」
気まずそうに礼を言うクイトに、マキアは呆れたように溜息つき
「クイト卿……貴方も伯爵の令息なら、ここでは少し言葉に気を付けないと…ロボルーラ伯爵に告げ口しちゃいますよ?」
「……っ!……それは勘弁してくださいよ……ミへーラフィ侯爵令嬢……」
「クイト兄様がこうだから、ヤイト兄様もユイト兄様もお父様も怒るのね?……」
「よく見てるわね。リリン…」
リリンとマキアは笑い、クイトは困った顔で頭を搔く