第10章 がいこうかい かいし
「マキア姉様!!」
そうマキアを呼んだのは
ツインテールの髪型に桃色のドレスを着た
リリン・ロボルーラだった。
「まぁ、リリン!」
小走りで近寄ってきたリリンに、ギルヴァの腕から離れて微笑み軽く手を振るマキア
「マキア姉様!!お会いしたかったです!」
「そう言って貰えて嬉しいわ……とても可愛らしいドレスね。リリンにピッタリで似合ってるわ。ロボルーラ伯爵夫人の見立てよね?」
「キャー!嬉しいです!お母様も喜びますわ!」
「リリン!!」
喜んでるリリンの名前を呼んだのは、
髪を綺麗にセットし、煉瓦のような茶色のスーツに深紫のローブを羽織っている姿の
クイト・ロボルーラが後を追って近寄ってきた。
「あら?クイト兄様……来たの?」
「来たの?じゃないよ!……皇族や各国代表の入場がまだなのに……なんで先に挨拶に行っちゃうんだよ。」
「え?…あんなカッコイイ入場されたマキア姉様と話したいからに決まってるじゃない?」
「だから……それが……」
リリンが勝手に動いた事に、片手で頭を抱えるクイト
「クイト卿……リリンの可愛い気持ちなんだから気にしないわよ?」
「え?マキア姉様…どういうことかお聞きしても?」
リリンの疑問の表情に微笑み頷くマキア
「えぇ……さっきの入場を見たでしょう?…
紹介の中にはミへーラフィ侯爵令嬢と言ってたけど、私は単独参加じゃなくて……」
ギルヴァの方へ手を向けながら
「デビアン帝国のガイベルド大将軍のパートナーとしての参加になるから、今回の外交会はヒューニンザ帝国の人としてだけじゃなくデビアン帝国とも関わりがあるの」
「え?え?………じゃあ……」
リリンは驚き
マキアは頷いて
「ヒューニンザ帝国のマナーとしては……
パーティー開催者である…今回は、ヒューニンザ帝国の皇帝陛下ね。
皇帝陛下が開催を宣言した後に招待された賓客達に、ご挨拶をしていいのよ??」
「え?……で……でも……今、入場された各国の代表関係者の方はヒューニンザ帝国の方と話をしていて……」
「だから、それは!各国の案内をする担当の侯爵家の者ならいいんだよ!」
リリンの疑問にクイトが注意をしたのだ。