第10章 がいこうかい かいし
「そうですか?貴族だから平民だからって身分差別なんてしないのは当たり前かと?」
「する貴族もいるだろ??」
「あー……はい……」
何人か頭に浮かんだマキアは苦笑する
「同じ国民なのに身分差を使うなんて変だよな。」
「それは同意見ですわ…」
頷き合うギルヴァとマキア
その2人の様子に
ビィナとレンヒは話を聞いてなかったのもあり首を傾げる
「ところで、入場の説明って何なの?マキア」
「あぁ!説明と言っても、もう入場の時間になるので国の代表関係者として紹介されるんです。名前を進行役が読みあげたタイミングに合わせて、中へ入ってください。ってことです。」
ビィナの質問に答えたマキア
「それなら、余計にマキアの呼びはアレで良かったのに」
「え?アレって??」
ビィナの言葉にその場にいなかったレンヒは首を傾げて聞く
「忘れてくださいませ……変に目立ちたくないのですよ。」
先程の書き直しの事を思い出しマキアは頬を赤らめる
すると、入場する扉近くにいる政務官だろう人の声が
魔法陣の展開により扉から遠いデビアン帝国一行の方にも聞こえる
「扉を開けます!!各国の皆々様!ご準備をお願いします!!」
ディアノチェ大広間へ入る扉が開かれる
「あら?どっちみち目立つのだから良いじゃない?」
政務官の言葉を聞いた後、ビィナの言葉にマキアは顔を向けて
「え?」
「だって……今のここには、ヒューニンザ帝国の人がマキアの他にいるの?」
そうビィナに聞かれて、マキアは今朝見た資料にある各国の代表関係者のリストを思い出し
「確かに……ヒューニンザ帝国の人はいないはず……」
「でしょう?」
と呟くマキアに頷くビィナ
「レイミセイ大国のご紹介させていただきます!」
進行役の声が聞こえた。
レイミセイ大国の代表関係者が、呼ばれて順次に入ることにより
並んでいた列が動く