第10章 がいこうかい かいし
政務官のラグワは、声がした方に顔を向けるとマキアの顔が見えて涙目のまま
「あ……ミへーラフィ侯爵令嬢!…良かったです……知ってるお顔が見れて……」
「開会パーティーの資料には、案内説明は政務官としか書かれてなかったから、ラグワさんがいるとは思わなかったです。お疲れ様ですわ。」
「お疲れ様です!そして……とてもお綺麗です!ミへーラフィ侯爵令嬢!」
涙目のままマキアの事を褒めたラグワに驚きながらも、
クスクスと笑ったマキア
「クスクス……ありがとうございます。前に言ったでしょ?貴族の言い回しは難しいのだから私に対して無理に言わなくていいのですよ?」
「い……いえ!本当にお綺麗ですよ!!デビアン帝国の方々も見たことない衣装なので驚きました。」
「そう?…ありがとうございます。……それで、朝に資料を確認はしましたが、時間的に入場が近いですよね?」
「あ!そ、そうです!僕ったら……お話なんて……えっと……並びはデビアン帝国の皆様が最後ですね……それで入場の時に名前を呼ばせてもらうんですが……これで良いでしょうか?」
そう言いながらラグワはマキアに資料を渡す
マキアは確認していると
「マキア?……なんで、お前の名前が無いんだよ?」
マキアの後ろから資料を覗いたギルヴァが話し掛けた
「ギルヴァ様?……あー……パートナーの方というのでもいいかと思いますよ??」
「ダメに決まってるだろ……おい、ラグワと言ったか?書くものあるか?」
ギルヴァがラグワに声掛けて、ラグワは驚くも返事をしてペンを渡した
ギルヴァはマキアから資料を取り上げて何か書き始める
「あっ!ギルヴァ様?」
マキアは取り上げられて困ってると
「……よし……これでいいだろう?」
「えぇ……完璧ね…」
ギルヴァが書いたものをビィナへ見せると笑みを浮かべて頷いた
そしてマキアが返してもらうと
《ギルヴァの女 召喚魔法を得意とする魔法塔のエース
ミへーラフィ侯爵令嬢 マキア・ミへーラフィ》
……と書かれていて